抄録
本研究では琵琶湖と水月湖という近距離にある二つの湖に着目し、それぞれの湖における主要元素Flux変動の比較から、広範囲気候変動と局地的変動の分離を試みた。元素濃度は琵琶湖において59サンプル、水月湖において70サンプルをそれぞれ酸分解し、ICP-MSを用いて測定した。各湖のAl fluxの変動を見ると一部に強い正の相関が見られた。相関が良いということは、二つの湖において同時にフラックスを増減させる要因、つまり広域に影響を及ぼした気候変動などの存在が示唆される。相関の悪い年代に関しては何らかの局地的変動による堆積環境の変化がどちらかの湖に起こった可能性が示唆された。