抄録
本研究では有機分子の土壌ダストトレーサーである高分子ジカルボン酸と起源トレーサーである陸上高等植物由来の高分子脂肪酸の分子組成と安定炭素同位体比をグリーンランドアイスコア(Site-J)に適用し、過去450年間の土壌有機エアロゾルの沈積量とその起源の変動を復元した。Site-Jの高分子ジカルボン酸の濃度や高分子脂肪酸の平均炭素鎖(ACL)は過去450年間においてアイスコア中のベリリウム10(10Be)から復元した太陽放射量の変動と同調した数十年規模の変動を示し、有機物トレーサーから土壌ダストと太陽活動の関連を支持する結果がはじめて得られた。さらに脂肪酸ACLや安定炭素同位体比から太陽活動の変化に伴い土壌有機エアロゾルの起源が変化していたことが新たに示唆された。