抄録
細菌の膜脂質である呼吸鎖キノンを生物指標として、琵琶湖の浮遊細菌群集の炭素現存量を調査した結果、北湖表層において細菌炭素現存量は7.8-53.9 ?g C L-1と大きく変動した。キノン組成に着目すると、ユビキノン-8は表水層から深水層にかけて年間を通して優占しており、深水層での増加は特に顕著であった。本発表では、細菌の捕食とウイルスによる死滅速度を見積もるため、改良希釈培養法とキノン分析を組み合わせた方法を用いて、細菌群集および個々のキノン種を持つ細菌群の炭素の行方を評価した結果を示し、個々の細菌群を介する炭素流の違いに関して議論する。