抄録
近年、世界の多くの湖沼表層のpCO2が大気中濃度よりも大きく、湖沼表層が大気に対してCO2のソースとして働いていることが報告されている。この特徴は、北域の大規模な湖沼を中心に、呼吸やDOCの観点から主に分析されている。その一方でCO2を消費する光合成や栄養塩との観点から議論した研究は限られる。本研究では、様々な環境をもつ日本の湖沼の中で、エンドメンバーとして酸栄養湖(フィールド:猪苗代湖)・富栄養湖(霞ヶ浦など)という2種類の湖沼に着目した。前者は火山活動による硫酸などの流入により、湖沼のpHや生物活動が非常に制限されている。また後者は周囲の田畑・都市から多くの栄養塩が流入している湖沼であり、活発な生物活動が示されていた。これらの湖沼のpCO2、そして栄養塩に着目した内部反応を調べることにより、湖沼が炭素循環の中でどのような役割を果たしているのかを明らかにしていく。