日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 1A15
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G2 古気候・古環境解析の地球化学
北大西洋の堆積水銀量の第四紀変動史:現在から255万年前
水田 麻美*藤田 周山下 剛史北 逸郎大野 正夫桑原 義博林 辰弥長谷川 英尚千代延 俊佐藤 時幸
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キーワード: 北大西洋, 第四紀, 水銀, 堆積物
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抄録
氷床拡大期(約250万年前)の5万年間(MIS 99~101)の堆積水銀量の変動パターンを明らかにし,第四紀の全期間に亘る堆積水銀量の気候変動史とその海洋水銀の堆積メカニズムを解明するため,北大西洋海域で掘削されたU1314の堆積コアの千年スケールの解析を行った。この水銀量変動はIRD量とよく対応しており,間氷期(MIS 99)から氷期(MIS 100)まで上昇し,MIS 101かけて減少に転じている。この両者の変動関係は,氷床拡大期に増加し,縮小期に減少する数万年スケールの気候変動に対応し,かつ同海域のU1308とU1304の現在から100万年前までの関係と一致している。さらに,両者の変動には,3千年と5千年の周期をもつピークが存在している。このような海洋水銀の堆積メカニズムが,全第四紀に亘って同様である可能性を報告する。
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© 2013 日本地球化学会
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