抄録
地球中層大気のオゾンは大きな酸素同位体濃縮(d, 約10%)を持ち,高度40kmより上空,中間圏における観測結果は一例も報告されていない.中間圏は成層圏とは異なる温度構造や化学反応プロセスを持ち,それらがオゾン同位体比にいかに影響するかを理解することは,地球のみならず惑星大気の酸素同位体比への知見の観点からも興味深い.本発表では,SMILESの観測データを用いて,成層圏から中間圏にかけての18OOOの酸素同位体比高度分布を初めて導出した.この高度分布は,成層圏では高度とともに増加,中間圏では減少し,温度と正の相関を示した.成層圏でのd18OOOの増加は過去の観測と良く一致し,成層圏界面で最大(18±5%)になった.中間圏でのd18OOOの減少は夜間でも確認されたので,光ではなく温度が主要因であると考えられる.