抄録
2010年9月,沖縄トラフ伊平屋北熱水域で「ちきゅう」による掘削調査(IODP Exp. 331)が行われた。この情報を事前に入手した我々は,掘削の直前および直後を含む2年間にわたり,半年に1度の頻度で掘削孔の様子を調査し続け,次に挙げる5つの事実を明らかにした[Kawagucci et al. 2013]。 事実1.掘削孔から高温熱水が噴出する「人工熱水」噴出が2年以上継続している。 事実2.掘削前の熱水は総じて‘甘い’組成であったが掘削後は‘辛い’組成になった。 事実3.掘削前は成長しなかった天然チムニーが掘削直後は急成長した。 事実4.掘削後に成長した上記チムニーはいわゆる黒鉱の化学組成であった。 事実5.掘削孔の周辺に低温熱水が拡散しはじめると,ただちに生態系が構築された。