日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 3P15
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
淡水棲二枚貝イケチョウガイ殻の酸素・炭素同位体比、ストロンチウム同位体比、微量元素濃度の時系列変化
*永石 一弥松岡 淳石川 剛志谷水 雅治池原 実若木 重行坂井 三郎吉村 寿紘鈴木 淳J-DESCコアスクール コア同位体分析コース受講者一同
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抄録
茨城県霞ヶ浦水系新利根川で養殖されていたイケチョウガイについて、貝殻の成長線方向に沿った時系列のサブサンプリングを行い、同位体比および微量元素濃度を測定した。δ18Oは水温と逆相関を示すが、降水量から推定した河川水のδ18O、および渇水(蒸発)の影響を受けている可能性がある。δ13Cには、はっきりした周期変化は認められない。Sr/Ca比、Ba/Ca比は夏場に高く、成長速度に影響されているという研究例と一致する。87Sr/86Sr比は5~7月頃に低くなる傾向が見られ、水温やSr/Ca比などとは相関を示さない。これは関東北部の第四紀火山および鬼怒川低地帯の第四紀テフラ層を起源とした低い87Sr/86Sr比を持った河川水の割合が、流域水田の営農に伴った新利根川の水収支により、その時期に増えていると考えられる。
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© 2014 日本地球化学会
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