抄録
近年C-14に特化した加速電圧を250keVにまで押さえたAMSが登場した。演者らは最先端次世代研究開発支援プログラムなどによりこの装置を日本で初めて導入し、新設置の高解像度環境解析研究センターにて運用を開始した。すでに2000検体以上の分析について標準物質の分析再現性は推奨値との一致が極めて良く、安定同位体の分析精度も安定していることが明らかになった。バックグラウンド値も45,000年程度と大きな問題ではないことが明らかになった。本装置は特定有機化合物や微量試料の分析を用いたC-14分析を可能とした。1mgCで行ってきた分析を70-100μgCで分析可能となり(Yokoyama et al. 2010)、更に試料量を減らした分析法の開発を進めている。この結果、南極や湖堆積物の高精度年代軸の確立や海水準研究などを行っている。共同研究に基づく共同利用も開始しており、古気候研究が広く展開されることが期待される。