抄録
本研究では過去13万年間におけるカリフォルニア沖堆積物中の有機物分析によって、特にエーム間氷期と完新世についての古環境を比較した。完新世およびエーム間氷期の双方で、表面海水温度(SST)の上昇とリグニンフェノールの増加には時間差があり、SSTの上昇に対してリグニンフェノールの増加が遅れていることがわかった。これは温暖期に入った時代と氷河融解時期の時間差が関係し、ほとんどの氷河融解を待って森林が発達したことを示唆している。さらに、リグニンフェノールのS/V比とC/V比の指標から、完新世とエーム間氷期の植生を比較すると、完新世に比べエーム間氷期の方が草本植物の寄与が大きかったことがわかった。