抄録
本研究では,阿蘇火山火砕流堆積物中のアパタイトの組成を分析し、アパタイト-メルト間の揮発性成分量の関係性について検討した。
試料はAso-3とAso-4それぞれの安山岩質・流紋岩質軽石の計4つを用いた。斜長石中のメルトインクルージョン組成の分析により、各試料の含水量は流紋岩質メルトの方が安山岩質メルトより多い(小豆畑, 2009)。新たにアパタイト組成をEPMAで分析した結果、1試料中のCl濃度はほぼ一定である一方,F濃度に幅があった。これはFとOHが交換関係にあることを示す。同試料のnano-SIMS分析によるOH濃度もこれを支持する結果となった。
また、アパタイト中のOH濃度とCaO, P2O5, MgO各濃度に正の相関が、同OH濃度とメルトのH2O濃度には負の相関が見られた。さらに、アパタイトのMサイトに入る陽イオン量は酸素13に対し5と期待されるが、本試料では4.66から4.88と少ないことがわかった。