抄録
誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)に新たに開発されたガス交換器を付加することで、大気エアロゾルのプラズマへの直接導入が可能となり、その無機成分のリアルタイム分析が可能となった。この観測技術の導入により、大気エアロゾルの発生源、輸送、混合や変質について、より多くの情報の入手とその解析・評価が可能となることが期待される。しかし、これまで実際の野外観測に適用された事例は限られており、経験の蓄積が必要である。本発表では、この新しい観測手法により1週間にわたり実施した観測結果と、その統計分析結果につき簡潔に報告する。他方、福島第一原発事故由来の放射性エアロゾルの再浮遊につき興味がもたれ、その動態解明は、きわめて重要な仕事と言える。そこで、福島県の汚染地域において実施したガス交換ICP-MSを用いた大気エアロゾルの野外観察の試みにつき、報告する。