抄録
阿蘇火山火砕流堆積物中のアパタイトと斜長石・輝石中のメルト包有物の化学組成を分析し、アパタイト-メルト間の揮発性成分量の分配関係ついて検討した。試料はAso-3, -4それぞれの安山岩質、流紋岩質軽石の計4つで、波長分散型EPMAでF, Clを含む主成分元素組成を、nano-SIMSでアパタイトのOH濃度を分析し, メルト包有物のH2O濃度はKaneko et al. (2007, 2011)の推定値を用いた。アパタイトの揮発性成分組成について、単一試料中のCl濃度はほぼ一定である一方,F濃度に幅があった。これは分析誤差の可能性もあるが、アパタイト中でFとOHが交換関係にあることを示唆する。アパタイトのF, Cl濃度とメルトのF, Cl濃度には明瞭な相関は見られず、アパタイトのOH濃度とメルトのH2O濃度は負の相関がみられた。アパタイトの揮発性成分量はメルトのH2O濃度に影響されていると考えられる。