主催: 日本地球化学会年会要旨集
2011年3月に発生した福島第一原発事故では、大量の放射性物質が環境中に放出した。放出時における放射性物質の化学形態は、環境動態研究において重要な初期情報の1つであるが、その一形態として、放射性セシウムを含む粒子が確認されている。しかしながら福島事故では、炉心爆発・火災などの粒子状放射性物質が直接放出される可能性のある事象は報告されておらず、粒子の存在については多くが未解明である。本研究では福島事故における放射性粒子の実態を明らかにするため、第一原発から北西方向の半径20 km圏内の帰還困難区域において採取した土壌から放射性粒子を分離し、粒子の化学形態について分析を行った。