主催: 日本地球化学会年会要旨集
福島県南相馬市の南部において、2013年産玄米から基準値を超える放射性Csが検出された。もみやイネの葉にスポット状に高放射能領域が存在することから、土壌中の放射性Csがイネに経根吸収されたのではなく、大気経由で輸送された放射性Csを含む粒子がイネ沈着したことが汚染の要因であると考えられた。そこで本研究では、基準超過のあった地点のイネ、双葉町および福島第一原子力発電所敷地内で採取した大気フィルターに捕捉された粒子を分析し、2013年に沈着した放射性セシウムを含む粒子との関連性を明らかにすることを目的とした。
イメージングプレート(IP)およびSEMにより放射性Csが検出される粒子を同定し、形状および組成分析をおこなった。IPを感光させたイネの葉付着粒子は直径0.5μm、フィルター捕捉粒子は直径1~3μmの球状粒子であり、いずれの粒子からもCsが検出された。Csの他に、Si、Fe、Zn、Rb、Sn、Mo等が検出された。