除染土壌の適切な処分には、Csの土壌中の長期挙動の理解が必要である。本研究では、Csとの接触時間を変えた雲母系粘土鉱物からの長期間のCsの脱離を調べることで、異なる収着状態にあるCsの脱離速度を評価した。CaおよびKで置換したイライト、バーミキュライト試料にCsを1日、4週間、8週間収着させた後、プルシアンブルーを含む液相中でCsを脱離させ、収着・脱離量の時間変化を求めた。収着においては、K型やK+Ca型の試料に比べCa型の試料の収着割合が大きかったが、収着時間の増加による収着割合の増加は小さかった。脱離においては、Ca型イライト以外の試料は、収着したCsの大部分が脱離開始12時間以内に脱離し、これらの試料においてCsのほとんどが親和性の低いサイトに収着していたことが明らかになった。一方、Ca型イライトは収着時間の増加に伴い初期の脱離量が減少し、その後もゆっくりとしたCsの脱離が見られた。