抄録
コンドライト隕石全岩に見られる重元素同位体異常は、初期太陽系星雲での同位体不均質性を示唆している。Ndは次世代TIMSによる同位体異常の研究が盛んな元素のひとつである。特に、コンドライト隕石の142Nd/144Nd比が地球試料より20 ppm低い値を持つという報告は著名だが、隕石試料間に存在する142Nd/144Nd比のばらつきを作った原因については、議論されていない。
本研究では隕石全岩の完全分解法を用いて、4種類の炭素質コンドライトを測定したところ、試料間にNd同位体比のばらつきが存在することがわかった。複数の同位体比による議論から、炭素質コンドライト内に存在する142Nd/144Ndのばらつきは、s-process核種の不均質分布に依存する可能性が示唆された。