抄録
大量のメタンの生成が予想される富栄養化し生物生産性の高まった手賀沼において通年でメタン観測を実施した。表面湖水中の溶存メタン濃度の大気に対する飽和度は、400-87,000%と高度に過飽和状態にあった。湖面から拡散的に大気へと放出されるメタンは年平均で12.7±1.4mgC-CH4/m2/dayであった。この湖沼に1ボックスモデルを適用することで以下の結果を得た。
・富栄養湖沼の特徴を反映して、湖水に存在するメタンの多くは湖底堆積物から溶出したものである。
・湖水に供給されたメタンの多くは、湖水での平均滞留時間が1日程度で速やかに大気へと放出される。
・湖水中での生物学的メタンの酸化除去は夏季から秋季にかけて増加し、全供給量の2割程度を水中から除去する時期もある。