主催: 日本地球化学会年会要旨集
東部南海トラフ海域でのメタンハイドレート(MH)の成因を明らかにするために、MH濃集帯を含むコア試料のバイオマーカーを分析し、培養実験によるメタン生成及び酸化活性評価試験、堆積物の遺伝子解析、及び堆積盆シミュレーションの結果との比較を行うことによって、メタン生成ポテンシャルを評価した。メタン生成菌のバイオマーカーと考えられるPMI(2,6,10,15,19ペンタメチルイコサン)の炭素同位体比からPMIの起源がメタン生成菌由来であることが示唆された。PMIの濃度はMH濃集帯で高く、培養実験によるメタン生成及び酸化活性評価試験、堆積物の遺伝子解析の結果及び堆積盆シミュレーションの結果と調和的であった。これらの結果から、MH濃集帯を含む深い深度においてメタン生成活性が活発であった可能性が示唆された。