抄録
地球最古の岩石として知られるカナダ・アカスタ地域(~40.3 億年)およびラブラドル地域(~39.6億年)に産する花崗岩質片麻岩からジルコンを分離し、段階加熱による40Ar/39Ar年代分析およびジルコン中に含まれる包有物の相同定を行った。中性子未照射ジルコンの段階加熱では、40Arは1000-1100?Cを越えた領域で多量に放出され、中性子照射後の40Ar/39Ar測定の結果、ラブラドルのジルコンから43.9 ± 3.4億年、アカスタのジルコンから21.4 ± 1.7億年という値が得られた。一般に、ジルコン結晶中にKは含まれないため、これら放射起源Arの放出はジルコン中の含カリウム包有物の寄与が考えられる。ジルコン50粒子(非段階加熱)を顕微ラマンおよびSEM-EDSを用いて包有物分析をおこなった結果、カリ長石・白雲母などの他に、顕微鏡観察からは流体やメルト包有物とみられる相も確認された。本発表では、これらジルコンから得られた年代学的・鉱物学的・地質学的な意義について議論する。