抄録
観測されている現在進行中の全球的な海水準上昇が、氷期終焉後に130mほど上昇した海水準上昇の延長線上に位置づけられるのか,人為起源の温室効果ガスが大気中に放出された後の特異的なイベントであるのかを明らかにするために,温暖期の海水準変動の理解を行うことは,今後の氷床安定性を議論する上でも重要な科学的な課題である.本発表では, まず特に南極氷床の融解史について注目し,日本の沿岸域で得られたデータを基に, 氷床融解終焉のタイミングの決定について紹介する. さらに気候外力としての氷床融解と完新世の古気候情報との関係性について, 近年得られたモンスーン変動の復元記録や琉球列島のサンゴ礁記録とエルニーニョとの関係などを紹介しながら検討する.