抄録
ケイ酸の鉛直分布は単調に増加せず、濃度極大を持つ傾向があるが、それをもたらす要因について定量的な説明は与えられていない。近年報告された珪藻凝集体の溶解速度論に基づいた凝集体沈降溶解モデルと海洋鉛直方向の拡散を模した一次元拡散モデルを用い、海水中のケイ酸濃度の極大値とその濃度との関係を調査した。珪藻凝集体の溶解速度定数と海水柱のケイ酸総量を変化させて計算した結果、溶解速度定数を大きくするとより浅いところに濃度極大が現れ、海水柱のケイ酸総量を大きくすると濃度極大が現れる深度が大きくなった。ケイ酸の総量と濃度極大の深度の関係は観測された関係をよく再現した。