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鉛(Pb)には重さの異なる4つの安定同位体が存在し,海水中の同位体組成はこれらの起源に特徴的な値を示すため水塊の流動等の物質循環過程のトレーサーとして有用である。本研究では海水を用いた分離濃縮の基礎検討及び、全操作を通したブランク値、及び海水同位体比の再現性を評価することで分析法を確立し、外洋海水の分析に適用した。開発した手法を南インド洋の測点ER10(20°00′S,72°33′E)において採取した試料に適用した。本研究で得られた206Pb/207Pb同位体比の分布はMITの報告データ(GCA 170,126,2015年)とよく一致した。208Pb/207Pb比についてもほぼ同様の一致を見た。