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海洋における粒子状物質(>0.2 ?m)に含まれる微量金属元素(粒子態微量元素)Al,Mn,Fe,Cu,Zn,Cdの濃度分布は海洋における諸過程を理解するツールであり、国際GEOTRACES計画におけるキーパラメーターとして、海水や物質の循環、生物活動の指標として重要である。本研究では一体成形型の送気用捻蓋を導入し、テフロンチューブで連結した簡易な閉鎖型の湿式分解・蒸発乾固のシステムを構築し、粒子態微量元素(Al, Ti, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Cd, Pb, Bi)の一括分析法の開発を目的とした。送気用捻蓋の導入により、系の気密性を高めるとともに、溶出汚染を最小限に抑え、酸の蒸気の速やかな除去を図った。また、チューブの終端をドラフト内のアルカリ溶液とすることで、酸の蒸気の実験者への曝露および環境中への放出を低減した。