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初期の地球や火星の大気は従来考えられたよりもより還元的状態であった可能性がある。還元大気下での光化学反応は非生物的に有機物を合成する主要なメカニズムであり、生命起源に寄与した可能性があり、いかなる惑星環境でどの種の有機化合物がどれだけのフラックスで供給され得るのかについて、系統的な研究が必要である。我々は太陽光を模擬した紫外光源を用いて有機物合成実験を開始した。予察的な実験結果は(1)水の光解離速度と(2)系の酸化還元状態の二つの環境因子が、合成される有機物の種類とフラックスを変える主たる要因であることを示唆している。講演では、このような新しい観点から初期地球と火星の大気から供給されたであろう有機物について再考し、それが生命の起源や地球初期の生態系に与える影響について議論する