日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G12 初期地球と生命起源の地球化学
生命起原で確立した生物ホモキラリテイの非絶対性
*藤井 紀子
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p. 174-

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抄録

アミノ酸はグリシンを除いてL-体とD-体の鏡像異性体が存在する。生命が誕生する前の初期地球上ではL体、D体のアミノ酸が等量合成されたと考えられているが、化学進化の過程でD-アミノ酸は排除され、L-アミノ酸のみが重合してタンパク質となり、今日の生命世界が生まれたと考えられている。それゆえ、進化の過程で獲得したL-アミノ酸ホモキラリティーは生命体が生きている限り、絶対的に維持されていると長い間信じられてきた。しかしながら、最近、加齢とともに、その絶対的なホモキラリティーは加齢組織では破たんし、加齢水晶体や脳などで、D-アスパラギン酸(Asp)残基が多量に存在することが明らかになってきた。本講演では加齢によるタンパク質中でのD-Asp生成機構、D-Asp生成がもたらすタンパク質の変化、最新の結合型D-アミノ酸の分析法について述べ、生命科学におけるもう一方のキラリティーの重要性について述べる。

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