日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G12 初期地球と生命起源の地球化学
西グリーンランド・イスア表成岩帯における変堆積岩の地質学的・地球化学的特徴及び希土類鉱物の産状からみる約38億年前の微生物棲息環境
*大友 陽子大竹 翼掛川 武
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p. 175-

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抄録

西グリーンランド・イスア表成岩帯 (約38億年前)では生物由来グラファイトが発見されている。Ohtomo et al. (2014)は高い炭素含有量 (<8.8wt%)を示す黒色片岩から生物由来グラファイトを発見しており、約38億年前の海洋に高い生産性を持つ微生物が繁茂していたことが示唆されている。しかしながら、当時の微生物の棲息環境や微生物種について詳細は明らかになっていない。 表成岩帯西部から採取された黒色片岩及び縞状鉄鉱層 (BIF)試料の全岩、緑泥石及び角閃石の化学組成は、黒色片岩及び周辺のBIFがMgに富むのに対し、南側のBIFはFeに富む傾向を示した。試料のAl及びTi量は正相関を示し、中でも黒色片岩及びその周辺のBIFはAl、 Tiに富むことがわかった。以上の結果、及び希土類鉱物の産状は黒色片岩及びその周辺のBIFがMg、 Al、 Ti、 希土類元素を含む砕屑物が多く混入するような浅海域で堆積したことを示しており、当時の海洋に光合成細菌が繁茂していた可能性を示唆する。

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© 2016 日本地球化学会
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