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ICP-MSは安定同位体に対し、同位体比が10-6以下の極微量放射性同位体を測定するような分析はこれまで十分に行えなかった。これは安定同位体のピークの裾がテーリングし、極微量放射性同位体に干渉するためである。通常のICP-MSのアバンダンス感度は10-6程度であるが、ICP-MS/MSは四重極を二つ持つため、アバンダンス感度は理論上掛け合わされ10-12まで改善されることになる。本研究では、福島原発事故により放出された極微量放射性同位体を調べることを目的に、学習院大学設置のICP-MS/MS(Agilent 8800)を用いてウラン236測定法の検討をおこなった。妨害イオンによる干渉は脱溶媒試料導入装置と反応セルを組み合わせることにより、従来のICP質量分析法を用いた場合の約1/400となり、現在の海水が測定可能なレベルまで低減化することができた。