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生体内代謝を通じた窒素同位体分別機構を解明することを目的として、グルタミン酸(Glu)?アスパラギン酸(Asp)アミノ基転移反応に伴う窒素同位体効果研究のための予備実験を行った。まずアミノ酸の定量はニンヒドリン反応法後の吸光光度分析により0.5-2.0mMの検量範囲で定量的であることを確認した。次に誘導体化せずにアミノ酸を分離回収する方法として陰イオン交換法を検討した。Glu-Asp混合液を陰イオン交換樹脂に吸着させ0.4mM酢酸及び3mM酢酸でこれを溶離することにより、両アミノ酸を97%以上の収率で分離回収できることがわかり、Glu-Aspアミノ基転移反応に伴う窒素同位体効果研究に利用可能な前処理システムであることを確認した。講演では、酵素反応に伴う同位体効果実験結果についても報告する予定である。