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重鉱物製錬においては,ThやUなどの放射性元素が濃集した廃滓の管理や処分が問題となる.マレーシアのイポー市周辺地域では,錫尾鉱から回収されるチタン鉄鉱から酸化チタンが製造されている.廃滓場からは低pH(~2.4)かつ高Cl,Fe, Th,Uが検出されており,周辺のSerokai川を汚染している.しかしこれらの元素は下流に従いpHの上昇に伴って濃度が減少し,河川水中から除去されている.本研究では地球化学モデリングを用いてこれらの除去プロセスを熱力学的に考察した.結果より, 河川下流の試料は全てThorianiteに飽和もしくは過飽和であることから,Thは沈殿形成し除去されていると考えられる.一方,UはU鉱物に対して常に不飽和であった.河川下流では,鉄水酸化物の存在が確認されているため.そこで,Uの鉄水酸化物への吸着について,炭酸イオン,リン酸イオンの影響を考慮した表面錯体モデルを用いて検討した.