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水圏の金濃度は溶存金化学種の鉱物表面への吸着により制御されている。代表的な溶存金化学種の1つに[AuCl4]-がある。この溶存金化学種は溶液のpHが上昇するにつれて配位子である塩化物イオンが逐次的に水酸化物イオンに置換し、[AuCl4-n(OH)n]-(n=1-4)となる。これら溶存種の鉱物表面への吸着はこの加水分解と深く関係していると考えられている。しかし[AuCl4]-の加水分解と[AuCl4-n(OH)n]-の吸着との関係性は明らかになっていない。そこで本研究では相対論DV-Xα計算を用いて各加水分解種の電子状態計算を行い,鉱物表面への吸着駆動力について検討した。