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普通コンドライトに含まれる微小なFe-Niメタル相の成因を解明するために、LA-ICP-MSを用いた親鉄性元素濃度分析をおこなった。その結果、非平衡コンドライトであっても、母天体上での熱変成によりカマサイト-テーナイト間でPd, Au, Cuの再分配が生じていることがあきらかとなった。一方、Re, Os, Irはカマサイト-テーナイト間での元素の再分配はなく、母天体上での熱変成以前の記録を保持していると考えられる。また、難揮発性親鉄性元素の濃度には互いに相関がみられるが、揮発性元素と難揮発性元素の間には相関がないことがわかった。これは、ケイ酸塩の還元だけではFe-Niメタル相を形成できないことを示している。