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風化によって形成されたアモルファスシリカ変質層や粘土・鉄水酸化物の凝集体は、サブミクロン~ナノサイズの間隙(ナノ間隙)を持つ。近年、ナノ間隙中ではCaCO3の沈殿が阻害されるなど、ナノ間隙表面の反応性が鉱物粉末や単結晶の表面上とは異なることが分かってきている。このような違いを生む原因を議論する上で、ナノ間隙表面の電荷が有用な情報になると考え、直径2 nmと50 nmの間隙を持つ多孔質シリカを用いて酸/塩基滴定実験(イオン強度1, 100 mM)を行い、間隙サイズと表面電荷の関係を評価した。 イオン強度1 mMでは、間隙サイズが小さいほど表面電荷はゼロに近かった。すなわち、細い間隙ほど表面シラノール基が解離しにくい(>Si-OHが安定である)ことを意味している。一方、イオン強度100 mMでは、間隙サイズに依らずほぼ同じ表面電荷を示し、表面電荷(>Si-OHの解離しやすさ)の間隙サイズ依存性はイオン強度に左右されることが分かった。