日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G08 生物と有機物の地球化学
藻類バイオマーカーを用いたインド洋アンダマン海における後期中新世の海洋基礎生産者の復元
*安藤 卓人沢田 健
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p. 110-

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抄録

アンダマン海で得られた堆積物コア中の藻類バイオマーカーの分析から、後期中新世の海洋基礎生産者の変動を復元した。アルケノン濃度とReticulofenestra属の存在度から,R. minutaが主なアルケノン生産者であったと示唆される。7Ma以降で,淡水流入の減少を示すC38メチルアルケノンの増加にR. pseudoumbilicusの出現が同調する一方,アルケノン濃度は減少する。珪藻Probosciaの生産性を示すDiol Index-2(DI-2)は, 7Ma以降の珪藻殻の激減に反して増加傾向を示した。珪藻生産は7Ma以降も維持されていたと考えられる。7Ma前後は,インド夏季モンスーンの強化が指摘されているが,渦鞭毛藻の海洋基礎生産への寄与を示すDinosterol指標も増加傾向にある。珪藻の激減を示す微化石データとは反するが,バイオマーカーの結果からは,7Ma以降の円石藻に対する渦鞭毛藻・珪藻の生産性の増大が示唆された。

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