四国三波川帯別子地域には, 地殻表層に由来する堆積岩, 地殻中下部で形成された斑れい岩や蛇紋岩を原岩とする変成岩類が広く分布している. 本研究では, 東平角閃岩体を例に, 主に野外観察の結果および希土類元素(REE)を含む全岩化学組成のデータに基づいて, 周囲の変泥質岩との相互作用について検討した. その結果, 岩体の大部分を占める東平岩体中央部〜北部は, 全体として斑れい岩を原岩と見なしてよい全岩化学組成 (SiO2 = 43.1–50.0 wt%) を有するのに対し, 岩体南部は著しい全岩組成の変化(SiO2 = 41.4–62.0 wt%, Cr = 7–1291 ppmなど)を示すことが明らかとなった. また, 希土類元素存在度パターンも, 岩体中央部〜北部の試料と岩体南部の試料では異なるパターンを持つことが明らかとなった. 以上の点などから, 東平岩体少なくとも南部の一部分は, 蛇紋岩のような超苦鉄質岩を部分的に含む泥質岩との混合を想定する必要があると考えられる.