日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
放射起源および安定Sr同位体比を用いた出土骨アパタイトにおける続成作用の影響評価
*若木 重行椋本 ひかり南 雅代
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p. 14-

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抄録

本研究では、考古遺物の火葬人骨から抽出した結晶性の異なる炭酸ヒドロキシアパタイトに対して、放射起源Sr同位体に加えて安定Sr同位体の分析を行うことで、埋没後の続成作用で生じたSr同位体組成の二次的変化を定量的に評価することを試みた。持聖院五輪塔下より出土した貞慶(AD1155−1213)のものと伝わる火葬骨および敏満寺石仏谷墓跡より出土した火葬骨は、ともに黒色を呈している骨片が白色を呈している骨片より高いδ88Sr値を示し、続成作用の影響を強く受けていることが示唆された。白色骨片はアパタイトの結晶性が高いが、黒色骨片はアパタイトの結晶性が低く有機物の残留が見られるこの違いが、変質耐性に大きく影響したと考えられ、続成作用時にSrの溶脱と同時に無視できない規模でSrの同位体交換が生じうることが示された。

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© 2017 日本地球化学会
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