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微生物メタン生成に関する研究は、微生物学をはじめ、農学や資源工学など幅広い分野で研究が行われており、その研究意義は分野によって様々である。地球科学(化学)においても研究意義を1つに絞ることは難しいが、大きくは「生命の起源」と「炭素循環」というキーワードを根底に据え置いて研究が行われている。これらのキーワードに対し、現世のメタン生成活動から研究を展開していく時、最も基本的かつ重要なことは、「メタン生成菌はどこに、どれくらい存在し、どれくらいメタンを作っているのか」を知ることであり、次に環境分析をすることにより、メタン生成菌の分布と活動を支配する環境要因を紐解けるはずである。しかしながら、特に、海底堆積物深部のようなメタン生成環境では、その基本的なことですら、ほとんど分かっていないのが現状である。本講演では、私がこれまで行ってきた有機地球化学的手法を用いたアプローチについて紹介させて頂く。