富栄養湖沼手賀沼堆積物の炭素蓄積速度は42 gC m-2 yr-1と見積もられた。これは全球陸水域の年平均速度(IPCC 2013)の3倍以上に相当する速度である。しかし、Sobekら(2009)がまとめた貧栄養湖や中栄養湖の値と比べて決して大きな値とは言えない。 堆積物表面から湖水へ拡散的な炭素放出速度は10 gC m-2 day-1と見積もられた。湖底堆積物への有機炭素の移行速度に対する堆積物への炭素蓄積速度の比で定義される残存率はわずか1%と計算される。すなわち、堆積物における無機化と湖水への放出が手賀沼における決して高くはない炭素蓄積速度の要因と考えられる。さらに、多くの炭素が湖底堆積物から再供給されることで、生物生産性が高い手賀沼の大気への二酸化炭素の放出を可能としている。