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水試料のDIC分析を行うにあたっては、生物活動による変化を抑えるため、毒物添加が一般的である。ここでは、様々な問題が多い水銀による殺菌を代替する物質として、塩化ベンザルコニウム(BAC)と塩化ナトリウム(NaCl)についての検討を行った。 陸水試料については、BACやNaCl未添加の場合には、δ13Cが数‰の変化があったが、BACやNaClを添加した場合には、ほとんど変化が見られなかった。一方、海水試料では、沿岸海水にNaClの添加したもので、6日目まではδ13Cの変化がほとんど見られなかったが、それ以降、数‰の変化を示した。NaClの添加による生物活動の抑制は、BACよりも効果が限定されると考えられる。これまでの結果では、BACで水銀を代替させても問題ない。