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IOA (Iron Oxide Apatite) 鉱床はIOCG (Iron Oxide Copper Gold) 鉱床の端成分として認識されており,その中でも,スウェーデン北部のキルナ地域に代表される,非鉄金属含有量の少ないものをキルナ型鉱床として表している.IOA鉱床は良質な鉄を産出する傍ら希土類元素の鉱化作用を伴うことがあるため,その資源的価値が高い鉱床である.キルナ型鉱床の成因は議論が続いており,天水や熱水による交代作用,マグマ熱水,不混和現象などが考えられている.また,IOA鉱床はIOCG鉱床との関係性からCuやAuの鉱化作用を周辺に伴うと考えられ,経済的,探査的に注目されており,その成因を明らかにする意義は大きい.本研究では,Sr,Nd,Feなどの同位体やREEパターンを用いてキルナ型鉱床の成因の解明に取り組んだ.