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海水中の栄養塩であるリン酸イオン態のP,硝酸イオン態のN,ケイ酸態のSiの濃度は表層で低く,深層で高い,このような分布は栄養塩型分布と呼ばれる.Fe, Ni, Cu, Cd等の微量金属は栄養塩とよく似た分布を示し,栄養塩型分布微量金属に分類される.北太平洋は,偏西風により黄砂がもたらされる,周辺の大陸棚域から北太平洋中層水の流入がある,海洋大循環の終点であり最も古い深層水が存在するという特徴がある.私たちは,微量金属のオフライン濃縮-多元素同時分析法を開発した.この方法を用いて,白鳳丸KH-05-2航海で採取されたろ過および未ろ過海水試料を分析した.本発表では,溶存態(d)および置換活性粒子態(lp)栄養塩型微量金属(Fe, Ni, Cu, Cd)の西経160度に沿う鉛直断面分布を報告する.