p. 103-
水銀は極微量でヒトや野生生物に対し毒性を有する物質である。大気中水銀には0価のガス状水銀 (GEM) 、2価の反応性ガス状水銀 (Hg(II):GOM)、 粒子状水銀 (PBM) がある。大気中水銀は最終的に光化学反応により水に溶解しやすいGOM となり、降水により除去される。自由対流圏(乗鞍)と大気境界層(琵琶湖北部 摺墨)で降雨を10mm毎に分取し、D-HgとP-Hgを分離し、測定した。D-Hgは時間経過に伴う濃度の減衰が見られず、雲低下で物質が雨滴に捕捉されるwashoutは限定的であると考えられた。一方、P-Hgは降雨初期に濃度が高くなる傾向であった(摺墨; 240m a.s.l.)。一方、雲の中となる2778m a.s.l.では、D-Hg の濃度が240 m a.s.l. 地点より高濃度となり、P-Hg 濃度は低濃度であった。