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火山地域を水源とする河川では、上流部に鉄酸化物とみられる橙色沈殿物が河床に沈殿/付着し、中流部には河床礫の表面や護岸などの構造物にマンガン酸化物らしき黒色付着物が見られることがある。今回、熊本県阿蘇地域において、上流部に橙色沈殿物、中流部には1~2cm厚のクラスト状の黒色付着物を確認した。黒色付着物は、MnO 30%、Fe2O3 13%程度を含み、3価、4価のMn酸化物が含まれていた。河川水中のFeは上流部支流で、Mnは上流部・中流部共に大きい値を示したため、これが付着物・クラスト中のMnの起源となっている可能性が高い。pH-Ehダイヤグラムによると、河川の上流・中流部で2価のMnは安定に存在できる条件であるが、実際にはMnが酸化されて付着物が生じていた。黒色付着物にはマンガン酸化細菌が特徴的に見られたことから、マンガンの酸化に対する微生物の寄与が示唆される。