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2013年の台風18号は、琵琶湖西部に観測史上最高レベルの降水をもたらした。イベント時に流入した陸源物質の分布と堆積量を推定するため、台風通過の約1か月後に北湖全域から採取された23本のコアを用いて解析を実施した。イベント時の堆積のマーカーとして、微量元素プロファイル、堆積物の粒度分布、鉱物組成、L*a*b*色指数、を分析した。これらの分析結果からは、安曇川河口付近のコアで最も顕著な結果が示され、台風通過時の堆積量は約2.5cmと推定された。これはこの地点における一般的な堆積量のおよそ17年分に相当する。この結果は、湖の生態系に影響を及ぼす栄養塩や微量元素などの物質流入量を評価するための基礎データとして有効である。