湖沼は温室効果ガスであるメタンの重要な発生源である。これらのメタンはメタン生成アーキアによって嫌気的な深層または堆積物中において生成されると考えられてきた。一方、近年の研究によって酸化的な湖沼表層水中に生息するメタン生成アーキアが光合成生物と共生し、メタン生成を行っている可能性が示唆されている。そこで本研究では、シアノバクテリアの大量増殖によって発生するアオコ現象に着目し、メタン生成アーキアとアオコの共生によるメタン生成の可能性について検証する。まず、湖沼から採取したアオコ試料に含まれる16S rRNA遺伝子およびmcrA遺伝子の解析を行い、アオコと共生するメタン生成アーキアの存在および系統型を特定する。同時に、アオコ試料に含まれる補酵素F430の解析およびアオコ試料を用いた培養実験によって、そのメタン生成ポテンシャルを評価する。本研究により、メタン生成アーキアと光合成系の共生メカニズムおよび湖沼内でのメタン生成プロセスに関する新たな知見の獲得が期待できる。