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水圏及び土壌圏の微生物による硝化過程は地球温暖化やオゾン層破壊を誘起する一酸化二窒素(N2O)の主要な発生源の一つであり、海洋酸性化によって硝化菌から生じるN2Oの生成量、並びにその生成機構の変化を解明することは将来の環境を評価する上で重要である。本研究では、海洋性硝化細菌を温度、pH、溶存酸素濃度を制御して純粋培養し、N2Oの生成速度と安定同位体比を調べた。25℃で酸素濃度が大気に対して飽和の条件下では、N2O生成速度はpHの低下に伴って減少する傾向が見られた。また、N2Oの窒素の安定同位体(15N)の分布(SP)、及び酸素の安定同位体比(δ18O)には変化が見られず、生成機構は変化しないことが示唆された。