これまで演者は共同研究者とともに、放射性炭素(14C)の天然存在比や、アミノ酸、クロロフィルといった有機化合物レベルの同位体指標を、生態系の研究に応用してきた。おもに分かったことは:(1)河川の水生昆虫や魚類は、地質や土壌に由来する、14C年代のきわめて古い炭素を利用している;(2)アミノ酸の窒素同位体比から、生物の栄養段階を高精度に推定することができる;(3)クロロフィル a の各種同位体比から、一次生産者に由来するエネルギー流を正確に見積もることができる;そして(4)アミノ酸の14C年代は、生態系のリサイクル指標になるかもしれないなどである。本講演では、演者が現在行っている研究も含めて紹介したい。