胆道
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症例報告
幽門輪温存膵頭十二指腸切除術7年後に消化管出血を呈した肝動脈瘤胆道穿破の1例
猪熊 孝実黒木 保足立 智彦兼松 隆之
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2011 年 25 巻 2 号 p. 209-213

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抄録
要旨:消化器病領域において消化管出血は頻回に遭遇する疾患であるが,出血源が不明なこともしばしば経験する.今回,肝内胆管に穿破し,消化管出血を呈した肝動脈瘤の1例を経験した.症例は78歳女性.7年前,膵管内乳頭粘液性腫瘍に対して幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行された.2009年3月中旬,新鮮血の吐下血を認め,近医へ救急搬送された.前医入院後も吐下血が持続し,4月上旬に当院へ転院となった.上部消化管内視鏡検査で胆管空腸吻合部を観察すると,肝内胆管より血液の流出を認めた.腹部造影CT検査では肝A4に動脈瘤を認め,肝内胆管への肝動脈瘤の穿破と診断した.肝動脈塞栓術を行い止血し,その後の経過は良好であった.
肝動脈瘤胆管穿破はまれな病態であり,診断も困難と思われる.消化管内視鏡検査で消化管に出血源を同定できない症例においては肝動脈瘤胆管穿破による胆道出血も念頭におく必要がある.
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© 2011 日本胆道学会
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