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水中の溶存酸素濃度は水質を規定する主要因子であり、溶存酸素の不足は水質の劣化や生物の大量死、青潮等の環境問題に直結する。従って、様々な水圏環境下における溶存酸素の消費速度やその制御因子を明らかにすることは重要である。水試料中の溶存酸素消費速度は、従来は、閉鎖環境下における一定時間の培養に伴う各水試料の酸素濃度の変化を定量することで測定されてきた。しかし、有光環境の試料では、酸素の生成反応である光合成が同時進行する可能性があり、このため光を遮断するなど現場とは環境を変えて培養する必要があった。また、感度が低く、応用範囲が限られていた。本研究では酸素の微量安定同位体である17Oを人工トレーサーとして利用することで、高感度かつ有光条件下でも応用可能な新手法を開発した。この方法を用いて、海洋 湖沼、地下水において酸素消費速度を実測し、各フィールド間でその大きさを比較し、制御因子を考察した。