日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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G12 初期地球と生命起源の地球化学
中性条件でのリボース生成反応に対する鉱物の影響
*阿部 千晶
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p. 75-

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抄録

リボースはRNAの構成要素として重要な物質である。初期地球におけるリボースの生成反応として、ホルモース反応が示唆されている。ホルモース反応は塩基性条件で進行する反応であるが、いくつかの鉱物が中性条件でもホルモース型反応を触媒し、糖類を生成することが示されている。しかし、そのような鉱物触媒による中性でのホルモース反応でどのような糖が生成するのかは明らかになっていない。そこで本研究では、中性条件で複数の鉱物を触媒に用いたホルモース型反応実験を行い、それによってリボースが生成するのか、どの鉱物がリボース生成に効果的であるかを明らかにすることを目的とした。中性条件でカオリナイトやモンモリロナイトを触媒に用いたホルモース型反応実験を行い、生成物を分析したところ、リボースの生成が確認された。よって、ホルモース型反応は中性においても鉱物触媒によって進行し、リボースが生成するということが明らかになった。

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